ユマニチュードという革命
文章作成者
安藤圭祐
皆さんこんにちは。
遺品整理想いて安藤です。
今回は『ユマニチュードという革命』の書籍を読んで内容のまとめと、少し感想を書いてみました。
本書はケアサービスに準ずる作品であり、遺品整理とは少し意味合いは遠いかもしれませんが、生前整理のご依頼者をイメージして様々学べる部分がある内容でした。
箇条書きにはなりますが、ぜひご覧ください。
◯ユマニチュードとは
フランス語で『人間らしさ』
認知症の人などに限らず、ケアを必要とした全ての人たちへのコミュニケーション哲学であり、その哲学を実現する技法である。
『見る』『話す』『触れる』『立つ』に働きかけ、自分が人間であるということを思い出してもらう。
◯奇跡・・・
今まで毎日毎日90キロの体重の人をベッドから車椅子へと移動していたのに、ある日看護師が変わった瞬間に、なんと自ら車椅子に移動するようになった。
そこに居合わせた全ての人が奇跡だと思った。
実のところ本人は自力で車椅子に移動することは出来る状態だったのだが、いまのいままで一度も看護師から「動いてください」と促されたことがなかっただけだったそうです。
つまるところ、奇跡でもなんでもなく求められていなかっただけというでした。
◯ホスピスで大事なこと
ホスピスでももちろんですが、人は気付いた事しか直せません。
患者の状態も、まずは『気付く』ということがなければ何も始まりません。
気付くということが最も大事な『ひらめき』を生み出すのです。
◯立ち続けることの重要性
寝たきりになって自由を失っている人がなんと多いことか。
できる限り立って立っての介護の考え方が大事。
保清という面でも立って行われる方が、患者を少しでも衛生的に、そして運動効果で健康的にすることができるのです。
◯虐待はなぜ起こるのか?
言葉を発しない・誰とも目を合わさない・糞尿臭い・立てない
どんどん人間らしい人間ではなくなっていきます。
陰部洗浄をしたすぐ後に漏らす。
着替えも、脚を押さえれば上半身が起き上がるし、身体を押さえると足が上がって蹴飛ばされる。
夜中の現場にいるのは自分1人だけなので、やってることの限度がわからなくなってくる。
果たして自分が何をやっているかわからない仕事を、きちんとやり遂げることができるでしょうか?
展望や計画がない場合、働いている人はだんだん非人間的になってしまいそこに虐待が起こる理由があります。
まず人間としての尊重を大前提としなければならない。
◯依存とは
介護において、依存は価値のないもの、回避すべきものという解釈がありますが、人間は誰かに依存しないと生きていけません。
依存も重要な価値と捉える必要があります。
そして、『誰に異存するか』ということです。
病気になった人にとってはその人の自律を実現してくれる人に依存するのが必須になります。
人は人との絆がなくなると孤独になります。
ケアを行う人間と患者がいかにポジティブな絆をつくるかが大切になります。
人生において充実している時というのは、おそらく誰かを愛している時です。
それは依存関係があって初めて感じられるものです。
◯自律とは
自律とは自分で選ぶことができる能力がある。もしくは選べる可能性がある状態、と定義します。
患者は何を考えているか伝えられる状態であれば十分自律していると考えるべきです。
◯基本的人権の尊重
「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神を持って行動しなければならない」
この考えがすべてのケアの始まりの考えとなり、さらに言うと、ホスピスの世界では『NO』をいうことで、自身の人権を守ることが最も大事になってくる。
好きな時間に食事をしたい、好きな時間にお風呂に入りたい、好きな時間に寝たい。
縛り付けられたくない、痛い思いをしたくない、もっと心のある対応を受けたい。
強制された『YES』が恐怖から生まれるとしたら、尊重の『NO』は自由から生まれるもの。
この様なケアの現場を学ぶことも遺品整理士・生前整理士に、何かヒントを与えてくれると感じています。
幸い私たちのグループでは障がい者支援や訪問介護も行っておりますので、職員さんとの会話やグループ内での研修会を通して、少しでも学びを得られるよう、積極的に交流などをはかっていくことを考えていこうと思います。